それは、東京の中学の進度が速かったので
すでに習っていたことだったから…。
進学熱は東京の方が数倍熱かった。
4年生のころから近所の「大陽学園」という塾に通った。
5年生になると毎週日曜日に下高井戸まで模擬テストを受けに行った。
6年になると「日本進学教室(だったと思う)」という所に行った。
お母さん方が塾の先生に群がるようにして
「うちの子をよろしくお願いします」などと言っているので興醒めした。
結局親父の「公立でもいいんじゃないか?鶏口となるも、牛後となるなかれだ」
という一言で公立の中学に通うことになった。
大体同じレベルのK君は麻布に行った。
後に聞いたがA君とU君は東大に行ったそうだ。
ふたりとも自分より少し下の成績だった。
あのまま東京に住んでいたら?
ま、そんなことは考えても仕方がない。
辿る道は一本だけ。
茗荷の子気になるあの子転校生 基風